日記
美容院で髪を切ってもらっている時に、ふと最近話題になった蛇の話になった 美容師は、爬虫類を買う人の気がしれないと言う ネズミを餌にあげるだなんて、同じ生き物なのに、と 彼に、その言葉の違和感を伝えるほど子供じゃなかったけれど それを日記に書か…
雨上がりの道路に咲くたんぽぽの花に 黒のハナバチが顔をうずくめる 両の脚に着飾った黄色の花粉玉は どんよりとした曇り空のもとではどこか滑稽で 途端に我が身が気になって 家族連れの公園から そそくさと逃げ去った
飛行場の朝数十キロ先に聳える連峰の麓 低空の虹が掛かるのをみた それはもはやアーチではなく、七色の地層が重なる丘 飛行機越しに見える光景は、まさに夢物語のひと幕 そんな幻想世界を生きる妖精達が恋焦がれるのは、惨たらしくも生々しい地上界であると…
異世界への扉中古車ディーラーの店先で、生垣に咲くツツジ 花びらを伝う雨滴を覗き込めば、その向こう側にはどんな世界が見えるだろうか でも、覗き込むことが出来なかった つまらない大人になってしまったので
見つめ合い何処から入り込んだのか 寝転がった視線の先、ハエトリグモがダンスを踊っている 電源タップをステージに、くるり、くるりとターンアラウンド 前を向いても後ろを向いても目が合うので ちょっと恥ずかしい気持ちになりました
橋と車窓晴れた日の穏やかなせせらぎは美しい 大雨の日の荒れ狂う濁流は恐ろしい 涼やかな音を響かせる山奥の上流から、濁りきって異臭を放つ都市部の下流まで 全部、繋がっていると思うと、やっぱり不思議だ この橋の上を、忙しなく行き来する車のその行く…
他人事人が救急車に運ばれるのを見たのは、今日で2度目 電車の人身事故で運ばれた人を思い出すと、痛いのは嫌だなって思う 今日は救急車に運ばれるの直前の人の顔を見た やっぱり、痛いのは嫌だなって思う 同時に、他人事だなって思う
環境問題在来種を守るため、外来種を除くというけれど 生態系を守るため、開発をやめろというけれど まずはその手に持つスマホを地球上から撲滅しなくちゃあね
いきどまり帰りにいつもと違う道で曲がったら行き止まりだった ブロック塀の壁と春の陽射しとアパートの洗濯物 ぼう、と佇む背中に刺さるパトカーのサイレン かどの電信柱の陰から何かが出てきそうな気がして、慌てて逃げ出した 生き止まりだった いろはす公…